11.28.22:47
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04.28.03:13
ガソリン急騰の裏側
- [CATEGORY:日記
「レギュラー満タンでよろしいですか?」
「いや、1000円分だけ入れてください」
こんなやり取りが最近、あちこちのガソリンスタンドで増えている。原油高騰に端を発したガソリン価格の上昇が急ピッチで進んだためだ。
石油情報センターによると、16日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格(消費税込み)は1リットル125円。10年9カ月ぶりの高値となった。新日本石油など石油会社が、原油価格の上昇分を製品に転嫁しようと、2―5月の4カ月間で合計約11円の値上げを打ち出したためだ。
日銭が収益のほとんどを占めるガソリンスタンド。消費者の買い控えは致命的だ。しかし、コスト増を吸収できるほど余裕はない。スタンド業者が取った行動は――。
首都圏を走る国道16号沿い。ガソリンスタンドが乱立し、激戦区とも呼ばれる地域だ。
4月1日、神奈川県相模原市のスタンド経営者は早朝から落ち着かない様子だった。隣のスタンドを見ては思案顔、向かいのスタンドをのぞいては腕を組む。看板の価格を上げるか悩みに悩む。
出した結論は「看板から価格を消す」。午前中には周辺のスタンドも一斉に同じ行動をとった。「みすみす高い価格を提示する必要はないでしょ」――。スタンド経営者はそう言いながら、客の対応に走った。
同じく16号沿いの埼玉県川越市周辺。4月上旬、表示価格は3月下旬に比べて6円前後上昇していた。しかし「実際の販売価格は看板から2円引いてるんです」(スタンド経営者)。
なぜ最初から割り引いた価格を提示しないのか尋ねると、こんな答えが返ってきた。「後で周りのスタンドからいろいろ嫌みを言われたくないので……」。
1カ所でも安値を打ち出せば、すぐに近隣のスタンドに波及する。販売減と価格下落を防ぐための苦肉の策だ。しかし、5月に入り、販売量が前年に比べて減少しているスタンドも現れ始めた。このまま一本調子の値上がりが続けば、消費者の財布の紐(ひも)はいよいよ堅くなる.
(『NIKKEI NET』より)
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